「ボッチプレイヤーの冒険 〜最強みたいだけど、意味無いよなぁ〜」
第41話
領主の館訪問準備編
<旅路>
青空の下、綺麗にとまでは言えないが通行するには不自由しない程度には整備された道を2体のアイアンホース・ゴーレムがゆっくりとしたペースで進む。空は見事な青空で湿度も低く、かすかに吹く風がほほをくすぐりとても気持ちいい。ゆったりと旅をするには最高の天気と言えた
「シャイナ様、シャイナ様、ぽかぽかして気持ちいいですね」
「シルフィーさん、シャイナ様の肩に座るとは何事ですか! 不敬にも程があります!」
「残念でしたぁ〜、シャイナ様が座っても良いって言ったから不敬にはあたらないんですぅ〜」
「ぐぬぬぬぬっ」
短い旅の友をする二人の言い争いに頬を緩めながら、シャイナは真っ赤なアイアンホース・ゴーレムの上で空を見上げる
「うん、今日もいい天気だ。これなら道中雨に降られる心配はなさそうだね」
「シャイナ様、シャイナ様。もし雨雲が来ても大丈夫ですよ、私がどこかへ吹き飛ばしますから」
「シルフィーさん、あやめ様が『精霊たちの話からすると、この旅の最中は雨に降られる事は無いはずよ』と仰られていたのを忘れたのですか? そんな心配はまったくありませんから」
「もうっ! うるさいなぁ〜ルリさんは。こう言うのは気分よ気分。それに私が創造主であるあやめ様の御言葉を忘れる訳がないじゃない!」
ルリの言葉に怒ったのかシルフィーはシャイナの肩から飛び立ち、ルリの頭の上を飛び回りながら文句を言い出した。しかしその気持ちも解らないでもない。何せ彼女は文字通りあやめによって作られた存在なのだから、あやめの言葉を疑ったと取れるような事を言われては黙っていられないのだろう
今シャイナはアルフィンの要請でボウドアの村から西に伸びる街道をゆったりと移動していた。これは数日後にこの辺りを治める領主の館をアルフィンが訪れる事になったので、その際危険な箇所や問題がある場所が無いか調べるためだ。と言うのも、イングウェンザー城にある馬車は4頭立ての大きなもの一つ。多分大丈夫だろうけど、もし街道の途中で道の狭い所があったら立ち往生してしまう可能性があるのだ。これが大きな町の近くの街道ならそんな心配は無いのだけれど、ここは辺境。荷馬車以外通る事がないであろうこの街道では絶対に無いとは言い切れないと言うのがアルフィンの判断だった
まぁ、それだけなら別に空を飛べるシモベか誰かを見に行かせればいいだけの事ではあるのだけれど、それだけではない事情があった
「空からでは野盗の気配や野生生物の気配はよく解らないだろうからね。やっぱり自分の目で確認しないと安心できないよ」
口に出すつもりは無かったけど、思っていた事がつい口から出てしまった。でもまぁ、これが私の本心だから誰に聞かれて困るものでも無いけど。中途半端な情報でマスターの気分を悪くさせる事があったらいけないし、何より私自身が自分で見ておきたかったのよね
ボウドアの村やエルシモさん達からの情報でこの辺りには凶悪なモンスターは存在しない事は解っているし、野盗がいたとしても当日は私も同行するつもりだから特には問題は無いだろう。でも、優しいマスターはこの世界の人を傷つける行為をなるべく避けようとしている感じがするし、となれば前もって襲撃などが無いようにちゃんと見ておく方がいいだろうと言うのが私の考えだった
「シャイナ様、シャイナ様、私なら空からでも人や動物の気配が解りますよぉ〜」
「シルフィーさん、シャイナ様はそう言う事を仰られている訳ではありません。地に潜む者や罠を含めて気配を調べなければいけないと仰られているのです。浅はかな貴方とは違うのですよ」
「なにぃ〜! 言ったなぁ〜!」
シルフィーのドロップキックがルリちゃんの頭に炸裂。と言っても力を入れている訳ではないからたいして痛くも無いのだろう。その証拠に今は攻守逆転してルリちゃんが捕まえたシルフィーの体を両手で持って上下に数回シェイク、今度はシルフィーが目を回している
このように私の言葉が引き金になってまた、ワイワイガヤガヤと大騒ぎが始まった。でもこの二人、傍から見ると仲が悪いように見えるけど意外と馬が合うみたいなんだよね
私の供をしているこの二人、一人は医療班であるルリと言う名前で、この子は医療班と言うだけあって戦闘力はほぼ皆無だけど彼女の持つ32レベル分のほぼすべてを回復系スキルにつぎ込んだ事により、高位回復魔法でなければ直せない攻撃がない相手なら自分の倍程度のレベルの戦闘でもある程度任せる事が出来る程の回復量を誇る治療のスペシャリストだ
種族はハーフエルフで、外見的特長はハーフエルフとしては珍しい黒髪のおかっぱ。ただ顔立ちはエルフに近く、切れ長の瞳が特徴的な気の強そうな美人さん。なのに身長は146センチと小柄で幼児体型という結構アンバランスな感じのする子だ。何よりエルフ寄りな顔なのに魔力系ではなく信仰系マジックキャスターというのが珍しいキャラだったりする
一見口うるさいような感じがするけど頭をなでるとくすぐったそうに笑ったり、何かあると拗ねてみせたりと子供のような反応をするので医療班の中では私一押しの子だったりもする
そしてもう一人がシルフィー。外見的特長はフィッシュボーンスタイルにまとめた緑の長い髪の毛を腰までたらし、顔はエルフのように大きくてつり上がったアーモンド型の瞳と長い耳を持つ。そして背中の透明な羽と何より特徴的な15センチほどの身長。見た目の印象からすると御伽話に出てくるフェアリーそのものに見える子だ。でも実はフェアリーではないのよね
そう、この子の事を語るには少し説明が必要だろう
■
と言う訳で少し過去に遡る
時はエルシモたちが収監された次の日。イングウェンザー城の地下6階層にあるアルフィンの執務室での出来事
「マス・・・アルフィン、凄いよ! 大発見だよ!」
「どうしたのあやめ? そんなに興奮して」
その日、アルフィンは興奮して顔を真っ赤にしたあやめに抱きつかれ、詰め寄られていた。どうやら何か新しい発見をしたみたいだけど何があったのかしら? 普段は年齢より大人びた感じのするあやめだけど、こう言う時は子供らしい反応をするようでちょっと微笑ましい。だけど、余りに興奮しすぎていて何を言いたいのかまったく伝わらないのはちょっと考え物ね。何せさっきから凄いと大発見しか言わないんだもの
「とにかく凄いんだって!」
「うんうん、凄いのは解ったわ。それであやめ、一度大きく深呼吸をして、それから何が凄くて大発見なのか私に教えてもらえるかな?」
私がそう言うと、あやめは「うん!」と大きく頷いてから手の振りまで付けて大きく深呼吸をした。そして、気持ちを落ち着かせてから、目をキラキラさせて自分が発見した凄い事を教えてくれた
「あのねぇ、アルフィンがあたしに収監所の壁を精霊魔法で作るように言ったよね? だからあたし、アルフィンに言われた通り昨日大地の上位精霊であるダオを呼び出して岩山を作って、それからそれを切り崩して壁を作る事にしたの」
「そうね。私はそうした方がいいと確かに言った覚えがあるわ」
確かに広範囲にクリエイトマジックで壁を作るより、あやめのスキルビルドからするとその方が簡単だろうと思ってそう指示した覚えがある。その時に何か新しい発見でもしたのかな? んっ? でもそれなら昨日私が帰ってきた時にあやめはこの状態になってないと変よね?
「それでね、それでね!」
「うん、その時に何か大発見をしたのね?」
ちょっと疑問はあるけど、話の流れからしてそうなのだろうと相槌を打った。でもそれはちょっと違っていたようで
「違うよ! その時は普通に壁作っただけだし。大発見は今日したんだよ。凄い大発見だよ!」
「えっ、今日?」
でもさっきは昨日の話をしていたよね? どういう事かしら
「そう、正確には今朝ね。ねぇアルフィン、<コール・スピリット/精霊召喚>で召喚した精霊って上位でも下位でも時間が経つと帰っちゃうよね?」
「ええ、ゴーレム創造と違って精霊とか天使の召喚やアンデット創造は時間が来たら消えてしまうわね」
これはゴーレムは製作に素材を必要とする道具だけど精霊や天使、アンデットは傭兵モンスター扱いだからなんだろうなぁと私は認識していた。でもこの後のあやめの言葉でそれが間違っていた事を知らされる事になる
「それがねぇ、昨日召還したダオがまだ消えてないの。もしかしたらゴーレムみたいにずっと消えないかもしれないのよ」
「ええっ!?」
そんな事ってありえるの? だって精霊は召還されるものでしょ。ゴーレムのように作られたものではないから時間が経てば元居た精霊の世界に帰るのが当たり前なんじゃないの?
そこまで考えて私はふとある事に気が付く。精霊の世界って何? ゲームの頃はそう言う物があるんだろうなぁなんて漠然と考えていた。でもそれについての説明はユグドラシルでも何も無かったし、何よりここは異世界とは言え現実世界だ。ならば精霊の世界があると考える事自体がおかしいのかもしれない
「それで、もしかしたらと思ってサラマンダーを召還してみたのよ。もし一度召還したらずっと居続けるのなら便利だろうと思って。でもね、なぜかサラマンダーは消えてしまったの。時間は大体ユグドラシルで召還した時間と同じくらいだったわ」
「えっ? 上位精霊のダオは消えないのに下位精霊のサラマンダーは消えちゃったの?」
それっておかしくない? 逆ならともかく、より力の強い精霊の方が長時間(いやこの場合は永続的になのかな?)召還できるのはありえないんじゃないかな? そんな疑問はあやめも持ったらしくて、それが元で大発見をする事になったようだ
「それで何が悪かったのかなぁ? と考えた時にある事に気付いたの。そういえばダオを召還した時に地面がかなり広範囲で抉れたなぁって。それ自体はダオが私のMPを消費して元に戻したから気にしてなかったんだけど、もしかしたら土の精霊であるダオは土を媒体に消費してこの世界に定着したのかもって」
「土を触媒にしたって事?」
そんな事がありえるのだろうか? でも、実際にダオは消えていない訳で
「だからさっき実験してみたの。今日ってちょっと風が強いよね。だからその風を触媒にしてジンを召喚・・・したんだけどやっぱり消えちゃって、でもでも、もしかしたら風が弱くて消えたのかもしれないからってもう一度、今度は中位精霊であるシルフを召喚したら大成功!」
そうあやめが叫ぶと、どこからともなく小さな妖精が姿を現す
「そうして私はこの世界に生まれました。アルフィン様、アルフィン様、はじめまして! あやめ様に創造していただいた風の精霊、シルフのシルフィーです。以後お見知りおきを」
「えっ? この子、精霊なの?」
シルフィーと名乗った、どこから見ても妖精にしか見えないこの子はあやめの「大成功!」と言う言葉を合図に私の目の前に出現して、こう挨拶するとぺこりと頭を下げた。後で聞いた話なんだけど、彼女は風の精霊だけあって姿を透明に出来るらしい。まぁ、それだけなら私の感知能力に引っかかって居る事に気付けたのだろうけど、今回はあやめが私を驚かす為に認識阻害の指輪を持たせていた(と言うか、首輪みたいになっていた)から気付けなかったようね
とにかく、あやめの発見した仮説、対になる触媒を使えば精霊はこの世界に受肉できると言うのは多分正しいだろう。実際に目の前にシルフィーが居るのだから。でもまぁ、だからと言ってポンポン受肉させて貰っても困るからあやめには自粛するようにと、この場で言っておいたけどね
余談だけど、後日この話をメルヴァとギャリソンに話したところ、もしかするとアンデットや天使、悪魔も人やドラゴンなどの上位モンスターの死体を利用すれば消えない状態で定着するかもしれない(これは生命や精神の精霊、魂が触媒として当てはまるのではないかと言う仮説から出た意見らしい)と言われたんだけど、それってちょっと嫌だし怖いから聞かなかった事にした
■
とまぁ、シルフィーはこうして生まれた風の精霊なのよ。ではなせあやめの作り出した風の精霊が私と同行しているかと言うと、その能力が関係しているからなのよね。このシルフィー、あやめが言うには、風の精霊の力が漂っている場所限定だけどかなり広範囲の索敵が出来るらしい。なにせ人には感じられないほぼ無風と思える状況だとしても実際は大気の移動は行われているから、室内やダンジョン、屋外でも特殊な魔法で隠蔽や防御を施されたテントのように風の影響を受けないような特殊な状態を作り出している場所を除いて空気のあるほぼすべての場所は常に風の影響下になるそうなの。そして風の影響下にあると言う事は風の精霊の影響下にあるという事でもあるらしいのよね
あくまで中位精霊なので物凄い広範囲の索敵が出来るとまでは言わないけど今回の任務のような場面では十分な広さをカバーできるし、ほぼ魔力を使わずに常時索敵が出来るのであやめの推薦で今回の偵察任務に同行してもらったと言う訳
ついでに言うとルリちゃんがこの旅に同行しているのはメルヴァからの要請だったりする。私としては情報からしてこの旅の最中に怪我をする事は無いと思うし、病気に関しても装備に状態異常耐性がついているからまず掛かる事は無いからヒーラーが同行する必要は無いと思ったけど
「私としてはシャイナ様が御出掛けになられるのでしたら本来なら護衛を同行させたいのです。しかしシャイナ様を御守りできるほどの力を持つ者はイングウェンザーにはおりませんし、シャイナ様御自身が必要ないと仰られるのでせめて傷を癒す者の同行を御許しください」
と頭を下げられてしまったから、それならお気に入りのルリちゃんならいいよと言う事で同行してもらったという訳。正直言うと、戦いになった時は戦闘力皆無のルリちゃんだと足手まといになるからとメルヴァは渋い顔をしていたけど
「他の子なら(ついて来なくても)いいや」
との私の一言で彼女が同行する事になった。そしたらこの二人の相性が思いの他良かったしく常にこのようにシルフィーと漫才を繰り広げて私を楽しませてくれたおかげで、まったく退屈をしない楽しい旅になったのだから何が幸いするかわからない
こうして、この旅では恒例になった私の存在を忘れたかのように言い争いをする二人の姿を今回も楽しく見ていたんだけど、その時突然シルフィーの表情が真剣なものになった。そして、それに真っ先に気付いたのは漫才? の片割れであるルリちゃんで
「シルフィーさん、どうしました? 何か近くに怪しい者が見つかったのですか?」
「怪しい者と言うか・・・シャイナ様、シャイナ様。血の匂いが、それも人間の血の匂いが漂ってきます」
私とて前衛職なのだから危険感知能力はそれほど低い訳ではない。また、近くでそのような匂いがするのなら気づかないなどと言う事はないはずだ。しかし、そんな私でさえまったく気がつかないほどのかすかな血の匂いをシルフィーは感じ取ったと言う。なるほど、確かにあやめの言う通りシルフィーの能力はこの探索の旅にとってかなり有用だったと言う事か
「血の匂い? それは誰かがこの近くで戦ったと言う事? それとも大怪我した人が近くに居るという事なの?」
「これは乾いた血ではなく今体から流れているもの、怪我人の血の匂いだと思います」
この辺りには強いモンスターは居ないとの事だけど狼等の野生動物は生息すると言うし、野盗も居るだろう。と言う事はもしかすると商人や近くの住人が襲われているのかもしれない
「それは人の血の匂いなのね? それなら助けに行かないと。どっちの方角かは解るわね」
「はい! こちらの方から漂ってきます。シャイナ様、シャイナ様、私が先導するので着いてきてください」
そう言うとシルフィーは街道から外れた先にある林の方を指差し、私を誘導するかのようにそちらの方に飛ぶ
「解ったわ。でもまだ戦闘が続いている可能性もあるから、二人とも近くまで行ったら私の後ろに隠れる事。良いわね」
「はい、近くまで行ったらシャイナ様の後ろに隠れます。シルフィーさんは怪我人の場所をシャイナ様が確認したら私の所へ来てください。くれぐれも先行しすぎてシャイナ様に御迷惑を掛けないように」
「もぉ〜! 言われなくても解ってるよぉ〜」
そう二人に確認した後
「厄介な事にならないといいんだけど」
とアイアンホース・ゴーレムを林の方に向けて走らせ、先を飛ぶシルフィーの後姿を見つめながら考えるシャイナだった
あとがきのような、言い訳のようなもの
シャイナは何度も言うようにイングウェンザー城の最大戦力の一人です。そして100レベルNPCの内、それに匹敵する二人は外に出ることがないので同行はできないし、メルヴァとセルニアはマジックキャスターで壁にはなれませんし、ギャリソンは執事としての能力にスキルを振っているので当然シャイナより弱いです。そんな彼女に共は要らないと言われてしまったメルヴァはきっと途方にくれた事でしょうw
さて、今回出てきた精霊召喚は連載開始から考えていた設定で、下位、上位精霊の名前はD&D準拠で4大精霊だけでも挙げておくと、火:サラマンダーとイフリート、水:ウィンディーネとマリッド、土:ノームとダオ、風:シルフとジンになってます。また、召喚魔法の強さとしては、シルフなどの下位精霊はアンデットで言う中位アンデット創造と同クラス。上位精霊は上位アンデット創造と同クラスと言う事にしています。ただ、少しだけ変わったのが上位精霊のレベルかな。当初は60レベルくらいと思っていいたのですが、10巻で70レベルが上限と書かれていたので、当初の想定より少しだけ強くなってます。まぁ、余り関係ないことですけどね
因みに触媒に関しては死体と違って火とか水だと作るのが簡単すぎるだろうと言う事で上位は大量に必要としておきました。なので火なら天を突くほどの業火、風なら台風並みの強さを必要として、水と土に関しては量そのものをかなり消費すると言う事にしています。また、火や風と違い、大量に消費するとは言え土と水は召喚がたやすいので下位は同じくらいの強さですが上位精霊の力は10レベルほど劣ります
この話が出たのでばらせる余談ですが、22話の収監所内の情景描写で「入り口付近や建物の周りこそ草が刈り取られているものの」と言う所がありますが実はこれは刈り取ったのではなく、その一角の地面はダオを召喚する際に消失してしまって大穴が開き、これではいけないとあやめが魔力を消費してダオにその場所の土を元通りの量になるまで増やさせて平地に戻したからそこだけ草が生えていなかったと言う、これまたどうでもいい裏設定がありました
後、実は主人公もあやめも知りませんでしたが、調理場ではサラマンダーが召喚されており、火を触媒にして受肉させる事が出来る事はすでに知られていました。ではなぜ報告が届いていないのかと言うと、それが重要な事だと誰も気が付かなかったからです。何せNPC、それも料理を作る事に特化している者たちなので他の事に使えるなんて考えないんですよ。ましてやエンジョイ系ギルドですからナザリックのように兵力増強なんて夢にも思わないですから、「時間で消えないなんて使い勝手が悪いなぁ」とまで考えられていましたw
忘れていたのであわてて追記
10巻についていたが〜るずと〜くですが、そこに新事実が。料理長が作ったものにしかバフがつかないと書かれている所を見ると、ちゃんとした料理スキルと一般スキルの料理スキル、ユグドラシルにも両方あったみたいですね。と言う事は、うちの女性NPC達は全員料理スキルを持っているというのはちょっとおかしかったかも。だって一般スキルでいいのならわざわざ貴重なスキルポイントを使って取らなくても良いと言う事ですからね